Googleは、2つの音声エージェントモデル「Gemini 3.8 Live」「「Gemini 3.8 Live Extended Thinking」を発表しました。
これらのモデルはリアルタイムの推論における進歩を取り入れたAIとの会話がより直感的でインテリジェントなものになったと、Googleは説明しています。
Gemini 3.8 Liveの概要
Gemini 3.8 Liveは応答速度やコストパフォーマンスを重視して設計されたリアルタイム音声対話型のモデルです。
97の対応言語を自動的に検出し、会話の途中で切り替えます。会話を続けながらツールやAPI呼び出しをバックグラウンドで実行することが可能になり、モデルはユーザーからのリクエストに対応し、バックグラウンドでタスクが完了するまで会話を続けることができます。
Gemini 3.8 Live Extended Thinkingの概要
Gemini 3.8 Live Extended は、Gemini 3.8 Liveをベースに、より複雑な推論や複数の処理を必要とするタスクへ対応するモデルです。
高度な知能と多段階推論能力を備え、複雑なタスク向けに設計され、ユーザーと会話しながらバックグラウンドで深い推論を続けることが可能です。
通常の音声AIでは、複雑な処理や外部ツールの実行中に会話が一時的に止まってしまう場合がありますが、Extended Thinkingでは推論と音声出力を並行して実行することで、より自然な会話を維持できる仕組みとなっています。
ベンチマークでも高い性能を記録
Googleの発表およびArtificial Analysisが公開しているベンチマーク結果では、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingは音声対話やエージェントとしてのタスク実行、音声を用いた推論などで高い性能を記録しています。
Artificial Analysisが音声AIを総合的に評価する「Speech to Speech Index」では、Gemini 3.8 Live Extended Thinking(High)が82.6を記録しました。
同じ評価では、OpenAIの「GPT-Live-1(Astra, medium)」が81.5、「GPT-Live-1(Sol, low)」が80.1となっており、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingがわずかに上回っています。
個別の評価を見ると、音声による推論能力を測定する「Big Bench Audio」では、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingが97.7%を記録。GPT-Live-1はAstraを利用した構成で約90%、Solを利用した構成で約89%となっており、音声を入力とした推論ではGeminiが高い結果となっています。
エージェントとしてタスクを完了する能力を評価する「τ-Voice」では、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingが68.6%、GPT-Live-1(Astra, medium)が67.9%と、両モデルは非常に近い結果となりました。GPT-Live-1(Sol, low)は59.3%です。
一方、会話のターン交代や一時停止、割り込みなどへの対応を評価する「Conversational Dynamics」では、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingの91.9%に対し、GPT-Live-1(Astra, medium)は94.9%、GPT-Live-1(Sol, low)は97.3%を記録しており、この項目ではGPT-Live-1が上回っています。
こうした結果を見ると、Gemini 3.8 Live Extended Thinkingは音声を用いた推論やエージェントタスクで高い性能を示す一方、GPT-Live-1は会話の割り込みやターン交代といったリアルタイムの会話処理で高いスコアを記録しており、それぞれ異なる強みがみられます。
なお、Artificial Analysisの評価はモデルやバックエンドの構成によって結果が異なります。
GPT-Live-1についても、GPT-6 Astraをバックエンドに使用した「Astra, medium」と、GPT-5.6 Solを使用した「Sol, low」で異なる結果が掲載されています。また、τ-VoiceにおけるGPT-Live-1の2つの構成は1回の試行に基づく結果となっているため、数値を比較する際には評価条件の違いにも注意が必要です。
両モデルの提供について
Gemini 3.8 LiveとGemini 3.8 Live Extended Thinkingは、開発者向けにGemini APIおよびGoogle AI Studioで提供が開始されています。
Gemini 3.8 Liveは一般ユーザー向けに「Search Live」に展開されるほか、企業向けにはGemini Enterpriseでプライベートプレビューとして提供されています。
Gemini 3.8 Live Extended Thinkingについては「Gemini Live」に展開され、Google AI Pro・Ultraユーザー向けのGoogle Workspace「Docs」、Google AIユーザー向けの「Gmail」「Keep」などでも利用できるようになります。
このほか、Google WorkspaceやSearchなど、Googleの各種サービスにもGemini 3.8 Liveシリーズの技術が展開されています。