SIEはPlayStation 5向けの新しいAIアップスケーリング技術「Quick Spectral Super Resolution(QSSR)」を発表しました。
PS5 Proで採用されている「PlayStation Spectral Super Resolution(PSSR)」の技術をベースに、通常のPS5でも動作できるよう効率化したものです。
通常のPS5でもAIアップスケーリングが利用可能に
これまでPS5 Proでは、AIを利用してゲーム映像を解析し、高解像度かつ安定した映像へアップスケーリングする「PSSR」が利用されていました。
一方、通常モデルのPS5では必要な処理性能などの制約から、PSSRをそのまま利用することはできませんでした。
今回発表されたQSSRでは、
- 効率化されたニューラルネットワーク構造
- PS5の性能を最大限活用するための最適化
を採用することで、通常のPS5でもAIを利用したアップスケーリングを可能にしています。
SIEによると、PS5 Proでは引き続きPSSRが最上位のアップスケーリング技術として使用されますが、QSSRによって通常のPS5でも映像の精細さや時間的な安定性が改善されるとしています。
AMDとの「Project Amethyst」から誕生
QSSRは、SIEとAMDが共同で進めているAIグラフィックス技術の研究プロジェクト「Project Amethyst」から生まれた技術です。
PS5 Pro向けのPSSRで培ったAIアップスケーリング技術を、より少ない処理負荷で利用できるよう進化させた位置付けとなります。
従来のアップスケーリング技術よりもゲーム映像を安定して再構成できるため、遠景や細かなオブジェクト、動いているシーンなどでの画質改善が期待できます。
『Marvel’s Wolverine』『Ghost of Yōtei』が最初に対応
QSSRを最初に採用するタイトルは、
- 『Marvel’s Wolverine』
- 『Ghost of Yōtei』
の2作品です。
両タイトルでは10月2日に配信されるアップデートによって、PS5のグラフィック設定にQSSRのオプションが追加されます。
『Marvel’s Wolverine』を開発するInsomniac Gamesは、QSSRによってゲーム内の風景をより鮮明かつ安定して描画できると説明。
『Ghost of Yōtei』を手がけるSucker Punch Productionsも、キャラクターや風景の細部に加え、映像の時間的な安定性について、これまでのPS5では実現できなかった水準に達するとしています。
今後はさらに多くのPS5タイトルへ
SIEはQSSRをPlayStation向けに開発を行うすべてのデベロッパーへ提供する予定です。
そのため、今後発売されるタイトルだけでなく、既存のPS5タイトルでもアップデートによってQSSR対応が追加される可能性があります。
PS5 Proでは高性能なPSSR、通常のPS5では処理負荷を抑えたQSSRという形で、AIを活用したアップスケーリング技術がPS5シリーズ全体へ広がることになります。
発売から時間が経過した通常のPS5に新しいグラフィックス技術が追加されるという点でも、注目度の高いアップデートとなりそうです。
情報元