国会に属する機関として運営されている国立国会図書館では、東京都千代田区永田町に所在する本館、および京都府相楽郡精華町精華台に所在する関西館に直接通うことができない方でも、WEBブラウザ経由で所蔵されている歴史的な書籍をデジタルデータとして公開している「国会図書館デジタルコレクション」を開設していますが、実は80年代から90年代にかけての“レトロ”PC関連の書籍の一部に関しても、近年ネット経由で閲覧できるようになっています。
具体的には、“かつての”国民標準機だったNEC PC-9800シリーズ関連の書籍や、”Classic”Mac(Motorola 68000シリーズ世代のモデルがメイン)関連の書籍が対象となっています。基本的に市販されていた書籍については国会図書館の利用者登録が必須となりますが、こちらに関してもWEB上で新規利用者登録が可能となっているため、今となっては古本屋でも見かけなくなった貴重な書籍を気軽に自宅で楽しむことが可能です。今回はその中でもかのあゆがぜひ読んでほしいと思っているOld Mac関連の書籍を紹介したいと思います。
※なお、著作権などの都合上当記事内では紹介している書籍の画像や国会図書館デジタルコレクション内ページへの直リンクは控えさせていただいております。
- マッキントッシュ:そのインテグレーテッドソフトの世界
その名の通り、1984年に発表・発売された初代MacことMacintosh 128Kを解説している書籍です。初代Macintosh 128Kは日本でも当時Apple製品の代理店であったCanonより正規導入されたものの、この時点ではまだ日本語版OS(漢字Talk)がリリースされていない状況でしたが、当時のマニアから既に高い注目を浴びていたこともあり、関連書籍が既に多数販売されていました。
意外なことにこの本はもともとMicrosoftの書籍部門である「Microsoft Press」が立ち上がった直後にリリースされた本で、日本語版はアスキーから販売されていました。余談となりますが、Microsoft ExcelはもともとWindows用……ではなく、Mac専用表計算ソフトとして開発されていたりします。
Macintoshが初めてこの世に生まれ落ちた1984年当時のソフトウェアや周辺機器などを解説する内容となっていて、ベースになっているOSがUNIX/NeXTベースに移行した現行macOSでも継承されている、初心者でもわかりやすいUIなども確認できる魅力的な一冊となっています。
- Macintoshに愛をこめて : バスルームで楽しむAppleのとっておき20年史
1995年1月にソフトバンクから発行された書籍です。こちらは当時の漢字トーク(System 7.5.x)の操作などを紹介する解説書ではなく、発売時点におけるAppleの歴史と現状などをまとめた一冊となっています。
- この時期のCEOはマイケル・スピンドラー氏で、ちょうどMac用OSの名称を正式に「MacOS」に変更した上でパイオニアやアキアなどのメーカーにMac互換機のライセンスを下ろすようになったり、本来MacOS 8として開発されていた次期OS「Copeland」(コードネーム名)が延期に延期を重ねたあと、結局開発中止になったり(現在MacOS 8として知られているOSは本来「MacOS 7.7」としてリリースされるはずだったもの)経営的にもいろいろ危うい時期で、今でも知られている設立当時からの話だけでなくその辺の話も取り上げられています。
- ちなみに、後にAppleのCEOに復帰することになる故・スティーブ・ジョブズ氏はまだNeXT Computerに在籍していた時期で、後に現行macOSのベースとなるNexTSTEPごと買収される前だったため、「Appleを抜けた今の彼はただの億万長者」と紹介されているのも、そのあとのAppleの歴史を踏まえるとなかなか面白い話です。
まとめ
Apple(特にMac関連)関連のものだけに絞ってしまうと、ネット経由からでも閲覧できるものはかなり少なくなってしまうものの、前述の通り、今となってはブックオフなどの古本屋でもまず見かけることがなくなった貴重なPC関連の書籍を、iPadやAndroidタブレットなどの端末でも気軽に楽しむことができますし、2000年代以降のPC・スマホなどの端末しか触れたことがない方でも新鮮な気持ちで楽しむことができると思うので、興味がある方は一度アクセスしてみてください。
なお、国会図書館に所蔵されている主に90年代後半までのPC関連書籍・雑誌については、今となってはかなり年数が経過してしまったこともあり、物理的な書籍は館内でも閲覧できなくなってきており、スキャンを行った上で館内のPCから「国会図書館デジタルコレクション」にアクセスした上で電子書籍として閲覧する形式に移行しつつありますが、そのおかげで関西館からも国会図書館本館に所蔵されている「月刊ASCII(1978年4月創刊号から2000年12月号まで)」などの貴重な雑誌なども閲覧できるようになっているので、機会があれば直接来館されるのもおすすめです。