
昨年末あたりから始まったデータセンターのAI需要によるストレージ・メモリ製品の需要拡大に伴うコンシューマ向けストレージ製品(HDD・SSD・USBメモリなど)の大幅値上げに伴い、これまで以上にOneDriveやGoogle Drive、あるいは「永久保証」プランも提供されていて国内大手メディアなどでも積極的にプロモーションを行っているpCloudといったクラウドストレージサービスを活用しているという方が増えてきていますが、ローカルにあるデータをすべてクラウドに預けてしまうと最悪大事なデータをすべて失ってしまう可能性もあるため、あまりお勧めは出来ません。
日本国内では問題が無いファイルでもクラウドストレージを提供している企業が所在している国のルールで勝手に削除・最悪アカウントそのものがBANされる可能性も
基本的にクラウドストレージサービスを提供している企業が所在している国は日本ではなく、例えばMicrosoftの「OneDrive」やAppleの「iCloud」はアメリカ、pCloudはスイスに本社を構えていますが、運用ルールもその国の法律に準拠する形でサービスを提供しているため、保存するファイルによっては企業側の判断で勝手に削除されてしまう・・・だけではなく、場合によってはアカウントそのものまでロックされてしまう可能性があります。
特に問題になるのが日本では特に規制の対象となっていない、いわゆる二次元系の“センシティブ”なコンテンツで、海外だと非実在のアニメ系イラストの場合であっても法律的にはアウトとされている場合が多く、Googleが提供しているクラウドサービス「Google Drive」やMicrosoftの「OneDrive」では実際にアニメ系イラストを用いたセンシティブなイラストを保存した結果、ファイルが勝手に削除されただけでなく他のサービスでも使用しているアカウントそのものまで永久凍結されてしまい、メールデータのやりとりすら行えなくなってしまったという事例が国内外で多々発生しています。正直削除基準もかなり曖昧だったりするので、不安であればセンシティブなコンテンツはクラウドストレージには一切保管しない方が安全です。
急なサービス終了で保存しているデータがすべて失われてしまう可能性も
また、OneDriveやiCloud等、大手企業が提供しているものも含め、クラウドストレージサービスは「永遠にサービスを提供しているわけではなく、場合によっては今この瞬間急にユーザーがデータをバックアップする期間すら与えられないままサービス内容が縮小されたり、場合によってはサービスそのものが終了してしまう」可能性がある点も考慮する必要があります。
実際Microsoft OneDriveに関してはかつて無料ユーザーの場合でも25GBと他社競合サービスと比較してもかなり大きめのストレージ容量が割り当てられていましたが、突然5GBに縮小されることがアナウンスされ、一応短期間とはいえ既存ユーザーの場合はストレージ容量をダウングレードすることなく利用できる救済策は取られていたものの、何も知らないままそのまま利用しているユーザーはいきなり利用できる容量が大幅に縮小されただけでなく、容量オーバーの状態で保存されているファイルは有料サブスクリプションを契約してストレージ容量をアップグレードしないと30日後に問答無用で削除されてしまうという対応をとったことがありますし、マイナーな企業が展開しているクラウドストレージサービスだと本当に予告すらなくいきなりサービス終了になってしまった事例もクラウドストレージサービスが初めて登場した1990年代後半から今に至るまで多々発生しているので、「大企業だから」「永続ライセンスを購入したから」という理由だけで大事なデータをクラウドストレージ「だけ」に保管してしまうのはリスクがありすぎるのでお勧めしません。
また、メンテナンス等によって一時的にサーバーにアクセス出来なくなった場合対応が終了するまでクラウド上に保存されているファイルにアクセス出来なくなるほか、クラウドサービス提供会社のセキュリティ的なミスで保存されているデータが外部に不正流出してしまうリスクがあることも考慮したほうが安全です。

Windows、macOSなどPC用に同期用クライアントを提供しているクラウドストレージサービスの場合、ほとんどの場合「ローカルにもすべてのファイルのコピーを保存する」というオプションが用意されているので、これを有効化すればクラウド上だけでなく、PCのローカルストレージにもすべてのファイルがコピーされるので、これを別途バックアップツールなどで定期バックアップしておけば万が一サービスがいきなり終了してしまったり、前述のクラウドストレージサービスを展開している企業が所在している国の法律の問題で勝手にファイルが削除されてしまった場合もローカル上のデータやバックアップからファイルを救い出すことが出来るので、ドキュメントなどをすべてクラウドサービスに保存する場合はオフラインでも利用できるように設定を変更しておくことを強くお勧めいたします。かのあゆもOneDriveをメインで利用していますが、Windows環境、macOS環境ともに所有しているすべてのPCでそのような設定で運用しています。
まとめ
1年前までであれば大容量HDD・SSDを安価に購入出来たものの、現在では1万円を切る価格で購入可能だった2.5インチSATA規格の1TB SSDですら約2万と異様に値上がりしてしまったこともあり、今まで以上に大容量プランでも安価に利用できる場合が多いクラウドストレージサービスを活用してドキュメントをすべて保存するという使い方をするユーザーも増えてきているのではないかと思われます。
現在ではモバイル環境でも高速な5G回線を定額で利用可能となっているため、データのアップロード・ダウンロード速度に関しては以前のようにあまり気にする必要はありませんし、PCを持ち歩いていない状況でもスマホなどから外出先で保存されているデータにどこからでもアクセス出来るなど、クラウドストレージサービスならではの利点もあるのですが、何も知らずに使っていると大事なデータを突然すべて失ってしまう可能性もあるので、可能であればローカル環境にもオフライン同期機能などを活用してバックアップしておくことをお勧めいたします。